Corporate Social Responsibility

特集1

ソーダ灰は、1918年の創業以来の事業で、100年にわたって製造を続ける、トクヤマの伝統事業です。ソーダ灰はガラスや石けん・洗剤、食品添加物、水処理助剤などに、さらに併産される塩化カルシウムは道路の凍結防止剤、除湿剤など幅広い分野に使用され、日本の産業と人々の暮らしを支えてきました。今では唯一の国産メーカーとして安定供給体制を強化しながら、将来を見据えて、グローバルでの競争力の向上に努めています。

ソーダ灰(炭酸ナトリウム)と塩化カルシウム
さまざまな試練を克服する中で培われた製造プロセス技術と人材力で次の100年へ

創業事業として、トクヤマ100年の礎に

トクヤマの歴史はいまから遡ること100 年前の1918 年、輸入商社を営んでいた岩井勝次郎が山口県徳山町(現周南市)の地に日本曹達工業株式会社を創立したことに始まります。当時、輸入に頼っていたソーダ灰は、産業の基礎材料として幅広く用いられており、その国産化は「日本の国家見地から見て必要な仕事」と判断し、自らアンモニアソーダ法によるソーダ灰の製造を決意しトクヤマを創業しました。
日本経済の発展により、貿易の自由化、アメリカからの天然ソーダ灰の輸入拡大や、オイルショック、ソーダ灰需要の減少などにより相次いで他社が撤退する中、トクヤマは唯一の国産メーカーとして、創業の事業であるソーダ灰の生産の灯を守り続けています(国内市場推定シェア40%)。

製造法、併産品の転換等により事業を継続

ソーダ灰は塩と石灰石を原料としていますが、日本は原料塩をすべて輸入に頼っているため、海外の天然ソーダ灰と比べてコストがかかります。そのため塩の利用率を高める製法によるコストの削減や併産品の販売による収益向上など継続的な努力を行ってきました。たとえば、1950 年代に実施したソーダ灰単品から塩化アンモニウム(塩安)を併産する塩安併産法への転換では原料塩の完全利用を実現。当時、塩安は肥料として需要が大きく、トクヤマの収益だけでなく、戦後の食糧増産にも貢献するものでした。
その後の塩安肥料の需要減少に対応し、他社に先駆け1980 年代には、世界唯一の粗塩安分解プロセス(トクヤマプロセス)を導入した塩化カルシウム併産法に切り替えることを決断しました。このとき、想定以上の困難な課題を克服しながら製造設備の材質や構造、製造プロセスまで7年をかけて徹底的に見直し、生産効率を高めて、不純物が少ない高品質なソーダ灰、塩化カルシウムの製造を実現しています。食品添加物基準をクリアするまでの品質はこうして生み出されました。
現在、冬季に融氷雪効果のある凍結防止剤として各地の道路で活躍する粒状塩化カルシウムについても、国内においてはトクヤマ1 社のみが生産しており(国内市場推定シェア70%)、ソーダ灰事業の収益向上に大きな役割を果たしています。

100年バトンをつなげてきた人材の力

トクヤマが国内で唯一ソーダ灰事業を継続できているのは、このような製法や製造プロセスの改善に加えて、人材の力が大きな役割を果たしています。工場の運転員から最前線の営業担当まで全員が、創業の事業に携わる誇りを胸に、「先輩から託されたソーダ灰事業を守り抜き、次世代にバトンを渡すんだ」という想いをもって日々、業務に取り組んでいます。
100 年続くソーダ灰事業のプラントは運転時もメンテナンス時も高度な技量が必要とされます。それらの技量は現場で磨かれるだけでなく、業務改善に向けた“小集団活動”からも生み出されています。そこで、さまざまな問題を抽出して検討を重ね、改善につなげるとともに、その活動についての発表大会でのプレゼン経験が一人ひとりの成長を促すなど、高い現場力の源泉の一つになっています。

国内1社として供給責任を果たしつつグローバルで競争力を高める

2014 年、トクヤマはセントラル硝子株式会社と共同事業会社「トクヤマ・セントラルソーダ株式会社」を設立しました。ソーダ灰・塩化カルシウムの販売事業を集約することで、お客さまへの対応力の強化を図っています。
2015 年以来、ソーダ灰、粒状塩化カルシウムの製造では国内1 社としての供給責任を果たすため、安全・安定生産を基本とし、プラントはフル稼働を続けています。粒状塩化カルシウムは、2017 年秋に設備改良により生産能力を25%アップし安定供給体制を強化していく計画です。
現在、事業は堅調に推移していますが、市場ではアメリカ、中国などの海外品との競争がさらに激化しています。これに対応するため、さらに合理化を進め、設備を最大限活用してコスト競争力を高めるとともに、トクヤマの得意とする品質管理を一層強化し、伝統事業でもグローバルで闘える力をつけていくことを目指しています。

唯一の国産メーカーとして供給責任を果たす

化成品第一製造部長 田中 宏樹

化成品第一製造部 部長 田中 宏樹(写真右)

 課長 玉木 芳実(写真左)

ソーダ灰の主用途の一つはガラスです。以前はトクヤマがガラス事業を持たないことが弱みでした。そこでソーダ灰の自社消費率を高めるためにケイ酸ソーダカレット、湿式シリカ事業を立ち上げたのですが、ガラス用途が減少していく中で、こうして事業の裾野を拡げていったことが強みとなり収益確保につながっています。
ソーダ灰は反応、蒸留、焼成、分離などの工程を経て製造されますが、厳しい事業環境下で磨かれたこれらのプロセス技術とともに、周南バルクターミナルや中央発電所など徳山製造所のインフラがソーダ灰事業を支えています。
国内1 社となったこともあり、徳山製造所では多くのお客さまを迎えています。事業継続計画(BCP)への関心が高まっていますので、お客さまに実際の製造現場を案内しながら、保安防災、労働安全衛生などの取り組みを紹介し安心していただいています。今後も保安防災、労働安全、BCP と、あらゆるリスクに備えて供給責任を果たしていきたいと考えています。

このページの先頭へ