Corporate Social Responsibility

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暮らしと水を守るイオン交換テクノロジー

研究開発に着手以来80年が経過するイオン交換膜は、食塩をはじめ、飲料水、食品・医療中間体の脱塩・精製で人々の命を支えるとともに、廃液処理、有価物の回収などを通じて、地球環境の保全にも力を発揮しています。

イオン交換膜事業の開発の歴史

塩を原料としてソーダ灰や塩化カルシウムを製造するソーダ工業で創業したトクヤマにとって、輸入に頼っていた工業塩を安定的に入手することは大きな課題となっていました。その解決方法として、無尽蔵にある海水の直接利用を考え、イオン交換膜を用いて海水を濃縮し、かん水を製造する方法を発明し特許を取得しています。トクヤマでのイオン交換膜の開発の歴史は古く、1938 年頃研究を開始し太平洋戦争を挟み1961年には世界で初めてイオン交換膜の製造に成功しました。この膜を用いた無機電解質溶液の濃縮技術は、当時業界や学界から高い評価を受けました。
イオン交換膜の製造技術は、当時全く異質な有機合成分野での技術であり、開発には苦難を極めましたが、トクヤマはイオン交換膜法によるかん水製造技術を確立し、その後膜法製塩として実用化していきました。また、イオン交換膜の研究開発を通じ集まった人材は、のちのトクヤマの発展の重要な礎となりました。


アストムのイオン交換膜「ネオセプタ」


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イオン交換テクノロジーの応用分野


安全で健康な生活に貢献

現在、イオン交換膜事業はグループ会社の株式会社アストムが担っています。イオン交換膜は、脱塩、濃縮、回収、分離、精製などの機能を生かして、さまざまな物質の製造、廃液処理、リサイクルなどに利用されています。

食塩の製法を塩田法からイオン交換膜法に転換

長らく日本の食塩は天日塩田法に頼っていましたが、1972 年以降、イオン交換膜を利用した電気透析法の採用により、塩田法に比べ生産性が飛躍的に向上しました。

地下水から安全な飲料水の製造

塩とともに生命に欠かせない飲料水の製造にもイオン交換膜が役立っています。離島などの水源として地下水に頼ならなければならない地域では、塩類濃度が水道水基準を超えるものが多く見られます。アストムでは極性転換方式電気透析で効率良く脱塩することで、水道水基準を満たす飲料水を提供しています。


環境規制強化に対応する技術と製品

工場廃液から有価物の回収に活用

イオン交換膜は、工場廃液から有価物を回収する際にも利用されています。アストムのバイポーラ膜電気透析は塩廃液を酸とアルカリとして回収したうえで、減容化も実現します。たとえば、半導体や液晶工場のフッ化カリウム廃液から有価物を回収して、リサイクルにつなげています。

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工場廃液から有価物の回収

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工場排水の減容化装置

中国、インドなどグローバルで成長

工業化が進む中国やインドなどでは、環境負荷を低減するため、工場排水の減容化が課題となっており、無排水化の要求も増加しています。特に排水規制の強化が進む中国では内陸部を中心に石炭化学、火力発電等のプラントで対策技術の導入が進んでいますが、アストムの電気透析の導入で、排水のさらなる濃縮が可能となり、濃縮排水の減容化を実現しています。これらの高機能性に、メンテナンスの手間を省く耐久性で、さらなる成長とグローバルでの循環型社会づくりへの貢献を目指しています。

社員全員がワクワクする会社に

株式会社アストム 大越時夫

株式会社アストム 代表取締役社長

大越時夫

当社は炭化水素系イオン交換膜による電気透析のシステムプロバイダーとして、海外での活動に力を入れています。中国をはじめ、韓国、東南アジアなどで関連する生産ラインを含め、新規用途の試験機の設置やパイロット運転など複数のプロジェクトを進めており、工場排水の減容化や再利用など環境負荷低減に貢献しています。また当社は新膜開発等にも積極的に取り組み、イオン交換テクノロジーのグローバルリーダーを目指します。

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株式会社アストムの概要
設立:1995年5月1日
所在地:東京都港区西新橋2丁目6番2号
資本金:4億5,000万円
株主:株式会社トクヤマ 55%、旭化成株式会社45%
代表者:大越 時夫(代表取締役社長)
事業内容:イオン交換膜・電気透析装置などの開発、製造、販売

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