Investor Relations

株主・投資家の皆様へ

横田浩
先端材料世界トップ、伝統事業日本トップを目指す

社長就任2年目となる2016年度は、「好機に恵まれた1年間」となりました。

これまでを振り返りますと、就任1年目は、太陽電池向け多結晶シリコン事業に関わる巨額な減損処理からスタートし、財務基盤の再建を最優先課題とする「トクヤマグループの再生」に向けて企業改革を断行してきました。そして2年目となる2016年度、こうした苦しい経営状況のなかで、原燃料コスト減少などの追い風を利して、営業利益は期初の見通しを大幅に上回り、また懸念されてきた太陽電池向け多結晶シリコン事業に関わる連結子会社の株式譲渡も完了することができました。これらの状況から、計画を上回るスピードで自己資本を回復することができましたので、2016年度に発行した総額200億円のA種種類株式を2017年6月14日に金銭対価として取得・消却しました。

2016年度は、とりわけ利益面の改善において、トクヤマの実力以上の結果であったと厳しく評価する一方で、全社の日々の地道な努力が追い風を活かすことができたという認識を持っています。

配当につきましては、しばらく無配が続いていますが、今年度も中期経営計画に沿った利益計画が見込まれることから、今年度(2018年3月期)の中間配当および期末配当*はそれぞれ2円と、4年ぶりの復配を予定しています。
*期末配当は株式5株を1株に併合した場合は10円となります。

中期経営計画の根幹「組織風土の変革」

2016年5月に中期経営計画をスタートしました。

計画策定においては、これまで形骸化していた企業の基本方針を27年振りに見直して「トクヤマのビジョン」を新たに制定するとともに、10年後の目指す姿として、特殊品やライフアメニティーなどの成長事業において「特有技術で先端材料の世界トップ」、化成品やセメントの伝統事業では「競争力で日本トップ」になることを定めました。そして、この中期経営計画は、その通過点として5年後の経営数値目標を設定し、その実現に向けた重点課題に取り組んでいます。

本計画を推進するにあたり、最も重要なテーマとなるのが「組織風土の変革」です。2期連続の巨額赤字決算に至る要因を生み出し、また事業成長を阻害してきたのがトクヤマの内向的な組織風土にあったと私は認識しています。トクヤマが長年失っていた「顧客重視の志向」や「外向きの姿勢」という大切な風土を取り戻すことが、5年後の目標達成、10年後の目指す姿の実現に結実するものと考えています。

一方で、長年染みついてきた風土や意識を変えるのは安易なことではありません。まず経営トップが自ら行動を示しながら牽引していくことで、リーダーやそのメンバーたちに大きな影響を与えられると信じています。

このため、中期経営計画の初年度である2016年度は、上半期において「トクヤマのビジョン」をトクヤマグループの社員全体に深く浸透させるため、社員に直接主旨の説明を実施しました。下半期からは、課長クラスを対象に座談会形式で、業務の改革、仕事の改革、意識の改革などに関する意見交換や現場指導に取り組み、合わせて基幹職人事制度も改定しました。組織の要である基幹職、とくにメンバーに直接指導する課長クラスの意識改革がない限り、ビジョンの浸透もなく、それに基づいた風土変革も成就できません。この活動は、今後も進捗管理を合わせて毎年継続して行いたいと考えています。

事業戦略の再構築による収益力強化

中期経営計画を完遂するためには、その基底にある組織の風土変革とともに、投資効率の高い会社に変えていかなければなりません。失敗した時に企業の存続を危うくするような巨額投資をベースとした事業計画を描くのではなく、これからは小さな規模でも着実に収益を稼ぐ経営を図っていきます。経済環境の変動に左右されないスリムで強靭な事業体質を構築しながら、中期経営計画の2本柱である「成長事業」と「伝統事業」の収益力強化に取り組みます。

とりわけ将来的な利益拡大に期待を寄せるのが成長事業です。重要領域となる半導体関連製品では、微細化のニーズが高まるなかで、トクヤマの強みである高品質、高純度化にさらに磨きをかけ、品質と数量に応えるバリューチェーンを構築していきます。

2016年度は徳山製造所では休止していた半導体用多結晶シリコンプラントを再稼働させ、生産能力を年産6200トンから年産8500トン体制に増強しました。一方で、日常のプラントオペレーションの中でも、知恵を絞れば生産効率をさらに向上させることができるはずです。従って、当面は大規模な投資を行わず、高品質、高生産性に向けた新たな可能性を追求していきます。

放熱材料では徳山製造所において高純度窒化アルミニウム粉末の第5系列の増産を決定し、2018年4月には120トン増の年産600トン体制を構築する予定です。窒化ホウ素など製品ラインナップの拡充も進めており、お客様のニーズに面で対応できる体制を整備していきます。放熱需要は2020年以降に本格化すると見ており、研究開発と設備投資の両面で万全の体制を整えます。

ヘルスケアの領域では、メガネ関連材料、診断薬・システム、歯科器材、医薬品原薬を4本の柱として育成していきます。収益化の鍵はマーケティングにあります。特に海外での新たな販路獲得に向け、自前にこだわらずマーケットの専門家とパートナー関係を構築していきます。ヘルスケア関連材料の出口をしっかりと確保し、市場シェア伸張を加速させます。

そして伝統事業のセメントでは、国内は成熟産業となっていますが、海外は旺盛な需要が続く大きなマーケットです。また、多くの廃棄物を受け入れるという点では社会的に有益な事業でもあり、事業の健全性を保つことは国益にもかなうと考えています。今後も引き続き、アジアを中心とした販路拡大に向けた仕組み作りを積極的に進めていきます。

先端材料世界トップ、伝統事業日本トップの実現に向けて

2017年度は、引き続き組織風土の変革を強力に進め、スピード感を持って業務に取り組む活気ある組織風土の醸成を図っていきます。また私自身も、経営トップとしての役割を果たすべく、外部の方々とお会いしながら新しい知識や見識を吸収して社内に発信するなど、外部とのリレーション構築とともに事業機会の拡充に努めていく考えです。

5年後の中期経営計画の目標達成と、10年後のトクヤマが目指す姿の実現に向けて、全社を挙げて精力的に取り組んでまいります。株主の皆様をはじめステークホルダーの皆様には、引き続きのご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

2017年6月
代表取締役
社長執行役員
代表取締役 社長執行役員
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