公益財団法人 徳山科学技術振興財団

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財団について

設立趣意書

画像:尾上社長

我が国は、戦後の混乱・二度にわたる石油危機・さらには円高といった多くの難関を乗り越え、近年、世界史上に類のない奇跡的な経済発展をとげた。そして今や、経済大国の域を超えて、国際社会のリーダーとしての使命を帯びるに至った。

これは、我が国の官民一体の努力と、活力の成果であることは申すまでもないが、このことを可能にした大きな要素として、我が国の科学技術のたゆまぬ進歩と、蓄積があったことを忘れてはならない。

一方ここ数年は、わが国だけが享受している貿易収支の大幅な黒字基調のために、深刻な国際摩擦が生じ、各国から厳しい批判をあびている。この摩擦は、一歩対応を誤れば、これまで築き上げてきた世界のリーダーとしての地位を、崩壊させかねない危険性をはらんでいる。

今後我が国が、国際社会の中で調和のとれた共存共栄を図るためには、政治・経済面での対話と協調に一層の努力をするだけではなく、科学技術・学術・文化等においても、そのリーダーとしての役割を果たし、科学技術協力・文化交流等に積極的に取り組み、思い切った国際化を急がなければならないと考える。

特に、昨今の科学技術の進歩発達は、文字どおり目を見張るものがある。なかでも、宇宙航空技術・電子情報システム・省資源省エネルギー技術・バイオテクノロジー等の先端技術分野では、異業種の協会を超えた基礎研究が必須とされ、産・学・官の連携のもとに、研究体制の整備に多大の努力が払われている。そして、これら先端技術分野を支える大きな柱の一つに、「新材料」の研究分野がある。「新材料を制するものは、新技術を制す」といわれるのも過言ではないほど、先進諸国間での競争は激しく、まさに「材料革命」というにふさわしいものがある。

この点を踏まえ、21世紀の到来を展望しつつ、新しい科学技術の創造という理想の実現を目指して、ここに、「財団法人徳山科学技術振興財団」の設立を企図した。そして先にも述べたように、主として新材料分野における若い人材を育成することをもって、我が国の科学技術振興の一助にしたいと、念願するものである。

前人未到の果てしない道の分野へ挑戦するには、創造性豊かな発想と、たゆみない地道な探究心が何よりも必要である。そして、それを可能にするのは、少壮の研究者の情熱とパイオニア精神であろうかと考える。本財団が、これら少壮の研究者の育成にいささかでも貢献できれば、幸いと考える。

昭和63年8月19日

設立代表者
尾上 康治