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  1. 2023年 年頭所感

2023年 年頭所感

2023年01月05日
株式会社トクヤマ
代表取締役 社長執行役員
横田 浩

2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

1.2022年の総括

 昨年はウクライナ戦争に端を発し、天然資源が軒並み高騰、世界各国でインフレが高進し、米欧中央銀行の金利政策の見直しに伴う円安、ここに中国のゼロコロナ政策が加わり、景気は減速傾向を強め、インフレ下の不況というスタグフレーションの懸念が高まり、極めて不透明な経済環境に見舞われました。また、台湾問題や北朝鮮の動向など東アジアの平和と安定を脅かす軍事リスクが一層顕在化した1年でもありました。
 こうした環境下で当社にあっては、原燃料・物流費の高騰による未曽有の原価アップに直面し、低品位炭の採用など原価低減に努め、販売面においても度重なる価格修正により収益確保に努めたものの減益となりました。
 資源ナショナリズムの高まりと脱化石燃料の流れの中、原燃料の高止まりは続くとみられます。日本は、再生可能エネルギーの絶対量不足により将来的にエネルギー競争力の劣後は避けられず、基礎素材の国際競争力の維持は極めて困難です。当社においても、石炭価格の高止まりやカーボンニュートラルに向けた燃料転換により、競争力の源泉である自家発電の優位性は大きく低下、エネルギー多消費型から価値創造型へのポートフォリオ転換は待ったなしの状況です。

2.中期経営計画2025の進捗

 昨年は事業ポートフォリオ転換に向け、つくば第二研究所設立決定、台湾研究所機能拡充、トクヤマデンタル増設決定、高純度IPAの台湾・韓国でのJV投資、先進技術事業化センターでの放熱材の量産および電解槽製作・開発投資など積極的に投資を進めました。今後も成長事業育成の手を緩めることなくポートフォリオ転換を推進します。一方、伝統事業では原燃料高と国内市場の縮小は避けられず、今のままでは将来的にキャッシュ創出力の低下が見込まれます。DXを活用した業務プロセス革新による高効率なオペレーションを確立し、生産性向上に努めます。

3.2023年 社員の皆さんへ

 現在、当社の多くの組織において現状肯定による制度疲労が散見されます。特に基幹職には現状への安住は必ず衰亡に陥ることを銘記し、現状否定による革新の旗振り役を実践願います。
 今年は、組織風土変革に向け、人事制度改革をさらに進めて行きます。DX・海外展開・R&Dなどの強化に向け人材開発投資を進め、ジョブ型制度の導入検討などを進めていきます。
 当社が「もっと未来の人のために」なる会社であり続けるためには、一人一人が能力を上げ続け、そしてその能力を発揮し続けること以外にありません。いつでも必要とされる人材であれるよう、日頃から高い目標を持って自己の能力開発に努めることがとりわけ重要です。今年も厳しい経済環境になるものと思いますが、常に前向きに「Mission」「Vision」「Values」を心に刻み、実行されんことを切に願って年頭の挨拶とします。

以上