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  1. 2024年 年頭所感

2024年 年頭所感

2024年01月05日
株式会社トクヤマ
代表取締役 社長執行役員
横田 浩

2024年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

まずは、令和6年能登半島地震により被災された方に心よりお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになった方々に深く哀悼の意を表します。

1.中期経営計画2025の進捗

 2021年4月にスタートした中期経営計画は2年9カ月が過ぎ、後半戦に入りました。その進捗を概観すると、伝統事業については、2021年以降、化成品・セメントともに未曽有の原燃料価格上昇により、特に2022年度決算は大幅減益となりましたが、2023年度に入り価格修正により収益を確保し、キャッシュカウとして期待できる状況を整えつつあります。
 化成品は、トクヤマソーダ販売へ営業を集約、新第一塩ビの完全子会社化・吸収合併など組織改革を実行、セメントはキルン二基体制の検討を進め、事業の再構築に注力しています。また、ライフサイエンスでは、鹿島工場で歯科器材・フォトクロミック材料がサプライチェーンの劇的な効率化に向けトップランナーとして改革を進めています。A&Tでは社員自らAIを駆使した品質検査システムを構築し、目覚ましい効率改善を達成、今後は全社に横展開を図っていきます。徳山製造所では、シリコン製造部の課員自らが設備保全業務を取り込む業務革新を実行するなど、生き残りをかけた国内製造の生産革新の新たな動きが見られます。こうした動きはできる限りスピーディーにグループ全体に広げるべく、各部門役員・管理職においては、積極的な取り組みを期待しています。

2.成長事業の課題と今後のあり方

 電子・健康・環境で、事業を創造し、発展させるために最も重要なことは、「マーケティングと研究開発」です。電子を例にとると、顧客の事業ロードマップをつかみ、技術変革時を見定める必要があります。マーケッターと技術者が連携し、数年をかけて準備・提案していくことになります。そのためには顧客はもちろん、日頃から学術・業界の一流の人々と関係構築しながら技術を学び、先端の情報ネットワークに如何に入り込むかが勝負となります。情報を逐次更新しながら、開発方針に反映させなくてはなりません。
 これを実行するには、人の実力が全てで、マーケッターは開発部門にテーマ提案できる力、顧客が求めるものを引き出す力がカギであり、開発者はそれを受けてアイデアを構想し、期限内にモノを作り、顧客に提案できる力が必須です。日々そうした情報交換を社内外と継続し、ゴールは決して先延ばししない、こうした不断の歩みは価値創造型の仕事全般に当てはまります。
 新年を迎えるにあたって、一人一人、今一度自分たちのミッションを反芻し、本当に価値創造に向かって仕事ができているか向き合ってください。将来が描けるか否かは、「今、何ができたか」にかかっています。

以上