研究開発組織環境事業開発グループ

概要

トクヤマの事業ポートフォリオ転換における成長事業の一つに位置付けられた「環境」分野の事業を推進するために、2021年に環境事業部門が新たに創設されました。環境事業開発グループは、環境事業部門のR&Dを担当します。環境事業部門の重点施策である、処理困難廃棄物のリサイクル技術の開発・事業化、次世代エネルギーおよび周辺技術の事業化を中心に、トクヤマの将来を担う新しい事業の確立を目指し、研究開発に取り組んでいます。

主な研究テーマ／基盤技術

廃石膏ボードのリサイクルプロセス

再生利用が困難であった廃石膏ボードのリサイクルプロセス開発に取り組み、100%リサイクルを可能にする「結晶大型化技術」を確立しました。この技術は、関係会社のトクヤマ・チヨダジプサムで事業化され、年間約10万トンの廃石膏ボードのリサイクルを実現しています。リサイクル処理量の拡大に向けて、廃棄物由来の異物除去の高度化など、更なる改良を積み重ねています。

太陽光発電モジュールのリサイクルプロセス

2030年代に大量廃棄時代を迎える太陽光発電モジュールのリサイクルプロセス開発に取り組んでいます。主要な構成材料であるガラスのリサイクルに着目し、「低温熱分解法」を開発しました。この技術をコアに、将来の事業化を見据えて、新エネルギー産業技術機構（NEDO）との共同開発でガラス、金属類、シリコン等のリサイクル率向上を目指しています。

バイオマス焼却灰の有効利用技術

カーボンニュートラルの実現に向けてバイオマス燃料の利用が進んでいますが、燃焼後に発生する焼却灰の利用方法が課題となっています。当社では、石炭火力発電から発生する石炭灰をセメント製造に有効利用していますが、この技術を応用しながら様々な利用方法を検討しています。

主な設備

X線回折装置(XRD)、蛍光X線分析装置(XRF)、誘導結合型プラズマ発光分析装置(ICP・AES)、イオンクロマトグラフ(IC)、全有機炭素計(TOC)、示差熱熱重量分析装置(TG・DTA)、レーザー回折式粒度分布測定装置、マルチマイクロカロリーメータ

開発された製品・技術

廃石膏ボードのリサイクルプロセス（（株）トクヤマ・チヨダジプサムで事業化）

人材育成方針

SDGs達成に向けて、化学の力で環境に関する課題を解決すること。課題の解決が社会から評価され、ビジネスとして成立すること。課題の設定、解決に向けた研究開発、開発成果の事業化、いずれに局面においても困難に立ち向かい、最後まであきらめない意思の強さを持つこと。これら一連の流れを、マーケテイングから事業化まで、部門の企画グループと連携しながら身に着けます。