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  1. 幸後社長年頭所感

幸後社長年頭所感

2013年01月07日
株式会社トクヤマ
代表取締役社長執行役員
幸後 和壽

年頭所感

2013年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は、中国・アメリカなどの景気浮揚策やユーロ圏の債務危機の落ち着きなどが奏功し、世界経済の緩やかな回復を後押しすると予想されていました。しかし、現状は期待はずれの状況にあり、日本国内でも円高や高い法人税など六重苦が解消されないままであり、基礎素材を提供する化学業界は収益の悪化が現実的なものになりつつあります。

トクヤマグループにとっても、当面厳しい事業環境が続くと思われ、特に乾式シリカ・シランガスを含む多結晶シリコン事業の再構築や、セメント事業の構造改革の完遂、化成品や機能部材の成長戦略、本社間接部門の効率化、生産性向上など、早急に実現せねばならない大きな課題が山積しています。

2012年は、100周年ビジョンの第二ステップ「成長を加速する進化」の初年度であり、マレーシア計画の推進や国際競争力を有する製品の創出と事業構造改革に取り組んできましたが、急激な市場環境の変化もあり、残念ながら現状の3ヵ年計画は見直さざるを得ない状況にあります。さらに100周年ビジョンも理念に大きな変更はないものの、収益目標は見直しが必要となるかも知れません。

厳しい中でも成長戦略のうち2013年度までに商業運転を開始する工場建設は順調に進行しています。具体的には、マレーシア計画の第1期、液化水素事業、天津での微多孔質フィルム事業、廃石膏ボードリサイクル事業などが、収益改善に大きな貢献を果たしてくれるものと確信しています。また「挑戦と変革プロジェクト」として取り組んでいる企業文化の変革と組織強化のための仕組みづくりは、徹底的に実践してこそ活きてきます。実践と反省を繰り返しながら、思考や行動を変えていくことが新しい企業文化を耕し、企業力を高めることに繋がると信じています。

最後に、昨年は化学工場において大きな事故が相次ぎました。事故は、いくつもの要因が重なってはじめて発生するといわれます。ヒューマンエラーを前提にしたフェイルセーフ機能などが十二分に装備されているにもかかわらず、事故は起ります。トクヤマのミッションは「ものづくり」。ものづくりの現場では、安全にかつ高品質の製品を安定して生産するために、一人ひとりが自らを鍛え抜くことが必要であり、総力を挙げ、あらためてその体制づくりに臨みます。

本年も一層のご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

以上