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  1. 幸後社長年頭所感

幸後社長年頭所感

2014年01月06日
株式会社トクヤマ
代表取締役社長執行役員
幸後 和壽

年頭所感

2014年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は、新興国の経済成長が鈍化傾向から落ち着きを取り戻し、ユーロ圏では債務危機も一段落の様相を呈し、年末にはアメリカの金融緩和政策の縮小が発表されましたが、世界経済は緩やかな回復基調を継続しています。日本経済は、アベノミクス効果が目に見えるようになり、消費税アップの懸念はあるものの、円安の恩恵を受ける業種を中心に賃金上昇が議論され、デフレ経済脱却の象徴になりつつあります。

しかし、トクヤマグループを取り巻く事業環境は未だ厳しい状況にあります。主力製品の内需減少に歯止めがかからず、多結晶シリコンは、太陽電池向け、半導体向けともに、当面厳しい状況が続くと予想されます。ある意味で企業の信用力を計る「株価」や「格付け」は、トクヤマグループの収益力を見極め、残念ながら現状は魅力的な会社としては位置づけられていません。

2013年度は、ローリング3ヵ年+2年として、100周年ビジョンの新たな数値目標を設定し、支出削減を一つの柱とする収益改善計画を実行してきました。幸い第2四半期決算では、支出削減が前倒しで進んだことにより、予想を上回る収益を計上することができましたが、一方で、収益構造の改革は道半ばにあります。今後も収益改善の手を緩めず、取り組んでまいります。

我々は100周年を迎える2017年度に、売上高3,580億円、営業利益250億円と、13年度予想比で110億円の営業利益増を目指しており、この目標達成にむけて、着実に5~10億円を稼ぐ事業を10事業以上創出することに注力します。具体的には、塩素誘導品事業の収益改善、ソーダ灰事業、液化水素事業、シリカ事業、上海・天津でのNF事業ほかライフアメニティー部門、廃石こうボードリサイクル事業、セメント海外展開・構造改革などが、トクヤマグループの収益構造を変え、成長戦略を推進する確度の高い事業として、大きな貢献を果たしてくれるものと確信しています。

最後に、ここ数年、化学工場において大きな事故が相次ぎ、業界をあげて保安に関する取り組みが強化されています。安全は事業活動のすべてに優先し、保安力の向上はトップの責務です。トクヤマのミッションは「ものづくり」。ものづくりの現場一つひとつ、現場で働く一人ひとりが、安全に安定した操業が行えるよう、教育・訓練を繰り返し、安全意識を極限まで高める必要があります。トクヤマグループの安全体制の確立は、永遠のテーマであり大きな課題です。全員の力で課題を克服し、強い気持ちを共有して生産活動を続けてまいります。

以上