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  1. 2020年 社長年頭所感

2020年 社長年頭所感

2020年01月06日
株式会社トクヤマ

2020年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

1.2019年の総括

 米州、東アジア、中東、欧州など、世界の至る所でリベラル・自由貿易といった価値観に対する揺り戻しや覇権主義、保守主義の台頭など世界の政治・経済が混迷を深めた一年でした。そうした情勢下、当社も米中貿易摩擦に端を発した5Gの立ち上がりの遅れにより、エレクトロニクス関連製品を主力とする特殊品は大きく減収減益となったほか、中国・インドの景気減速により化成品も計画を大きく下回る結果となりました。

2. 直面している経営課題と本年の取組み方針

 中期経営計画に掲げる4つの重点課題のうち、財務体質改善を除いては、まだ十分な成果を上げていません。トクヤマビジョンに掲げる2025年のあるべき姿の実現に向けて、残りの三つの重点課題(組織風土の変革、事業戦略の再構築、グループ経営の強化)に対する取り組みを強化します。トクヤマの強みを徹底的に追及する一方、将来のトクヤマの事業ポートフォリオを睨んでの事業の見極め、再編などに道をつけていきます。
   これに加え、大きな課題としてCO2排出量削減、中長期の研究開発戦略が挙げられます。特にCO2対策に関しては、バイオマス燃料の利用、省エネに加え、新技術導入やIoT活用を含めたプロセス革新やCO2の利活用を強力に推し進めていくべく、本年1月1日にCO2プロジェクトグループを発足しました。大学、官庁などとも連携を加速していきます。また中長期開発についてはMI活用や先端分野での人的ネットワーク構築が最大のカギとなりますので、そうした取り組みを積極的に進めます。

3. 次期中期経営計画策定に向けて

 本年は現中期経営計画の最終年であり、各部門においてはその達成に向けて取り組んでいくことは勿論ですが、一方では既に次期中期経営計画(以下、次期中計)に向けての議論をスタートしています。次期中計における最重点目標は「トップ戦略の実現」です。2020年はそれに向けて、各事業におけるトップ戦略の定義、実現するための戦略・実行計画策定の年となります。今年は2025年に向けて大きく飛躍するための足場をしっかりと固めるという意味においても極めて重要な年に位置付けられます。

4. 会社は人材力がすべて

 経営陣を含めた役職員一人一人の意識と行動の変革が欠かせません。変革は「好奇心」からです。好奇心は普段からの勉強によって生まれます。これはいいと思ったら、遊び心を持ってトライすることです。スピード感を持って何をしたかが大事なのです。そうした行動スタイルが普通になることが組織風土改革です。
   新年度より新人事制度がスタートします。その最大の目的は人材開発です。目指すべき人材像を明確にし、それに向かって一人一人がストレッチのきいた目標を設定し、実行する。OJTに加え、Off-JTも充実させ、さらに意欲のある人には国内外問わずさまざまな成長機会を提供します。変革意識の強い、他社に負けない人材集団を作りたいと思います。

2020年は好奇心とスピード感に満ちた活力ある若々しい組織風土の実現、飛躍への足場 固めの一年とするべく頑張りましょう。

以上