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  1. 2021年 年頭所感

2021年 年頭所感

2021年01月04日
株式会社トクヤマ
代表取締役 社長執行役員
横田 浩

2021年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

1.2020年の総括

 2020年の総括は、新型コロナウイルスがもたらしたパラダイム転換の年ということに尽きます。
 現代文明をもってしても防ぎきれない自然の猛威を目の当たりにして、地球温暖化防止の動きが大きく促進されました。社会の分断や中間層の没落がクローズアップされ、行き過ぎた新自由主義の見直しの機運が高まりました。また、テレワークの進展は従来の働き方や組織・人事システムのあり方に課題を突き付け、緊急経済対策の支給遅延が行政改革を迫るなど、ありとあらゆる社会経済システムの構造的な課題が浮き彫りとなりました。

2.当社が直面する環境変化

 当社にとって最も大きな環境変化は、「2050年カーボンニュートラルを目指す」という政府方針の表明です。当社も、この方針を前提に検討を進め、世界の低炭素化に対する政策や新技術の調査などを通じて当社の低炭素化ストーリーを策定し、2021年4月から始まる新中期経営計画はそれを色濃く反映したものとなります。また、日本の人口減少も併せて想定すると、伝統事業の国内市場の縮小は不可避であり、成長事業の拡大とニュービジネスの創出なくして会社の発展は望めません。

3.成長のカギは「環境・健康・電子」

 当社は、石炭火力発電を競争力の源泉としてきた従来の戦略を根本的に見直し、「ネットカーボンゼロ」を前提に、2050年に健全に存続できる会社のありようをイメージし、事業構造の転換を進めていきます。具体的には「環境・健康・電子」をキーワードに成長事業の底上げを行い、それに伴う海外ビジネスの拡大により成長事業を主軸にした事業構造を目指します。一方、伝統事業はこうした活動を支えるキャッシュカウとしてエネルギー効率を最大限に高め、低炭素化を図りつつ経済性を維持してその存在意義を追求していきます。

4.開発主導型企業へ

 成長事業の拡大にはマーケティングとイノベーションの機能強化が最大のポイントになります。また、伝統事業、成長事業のいずれにおいても、新技術や新プロセスの開発・導入が必須であり、DXの活用などにより仕事の革新を行い、世界と戦っていく競争力を実現していかねばなりません。
 全役職員がより能力を高め、仕事へのあくなき情熱と遊び心をもって、勇気を出して一歩前に踏み出すことができれば、きっと我々は開発主導型企業への脱皮を図り、事業構造の転換を実現することができるものと確信します。先輩が残してくれた仕事を土台に、将来のトクヤマを支えてくれる人々のための新しい土台を作ることが今我々に課せられた最大のミッションです。

力を合わせて新しいトクヤマを作っていきましょう。

以上