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  1. 2025年度 入社式挨拶

2025年度 入社式挨拶

2025年04月01日
株式会社トクヤマ
社長執行役員 横田 浩

 皆さん入社おめでとうございます。

 世界は今、大きな岐路にあり、日本は大きな変革を迫られています。高齢化が進み、原燃料の多くを輸入に頼る状況や、産業界に課されるカーボンニュートラルの取り組み、再生可能エネルギーの競争力の劣後などが重なり、皆さんは未来への不安を抱えているかもしれません。歴史を振り返ると、幕末から明治にかけて西欧諸国の外圧に奮起し、戦後の加工貿易をベースとした経済復興によって、1994年、日本はGDP世界シェア17%を達成し、経済史上のピークを迎えました。しかし、その後の経済低迷により、再び進むべき道を問われています。今奮起しないと、日本経済はさらに凋落の一途をたどる可能性が高いと考えています。

 当社も日本経済を担う一員として、その脱却を目指し、この10年間で制度改革や組織風土変革に取り組んできました。今年から新しい人事制度を導入し、創業時のような瑞々しい意欲に満ちた会社を目指します。年功序列を廃し、「Pay for job」を掲げ、会社は社員が実践した仕事を評価します。社員は能力向上と活用を通じてより質の高い仕事を目指し、個々人が成長を実感し、経済的にも報われるエンゲージメントの高い会社を創っていこうと考えています。

 化学産業は電子産業の先端材料で世界をリードし、当社もその一翼を担っています。しかし、中国をはじめ新興勢力の追い上げが著しい中、オペレーションと品質においてさらなる差別化が必要です。そのためには、社員一人一人が高い志とプロとしての力を発揮し、エンゲージメントを持って仕事に取り組むことが鍵となります。皆さんがプロとして日々努力し、早く第一線で活躍することを願っています。

 まず、我が社のミッション、ビジョンを理解し、価値観に基づいた行動を実践してください。時間という貴重な資源を有効活用し、日々の成長を積み重ねていくことで皆さんの未来は大きく変わります。仕事を通じた実学に勝るものはなく、実践を通じて得た気付きから学びを深め、再び仕事で生かすというサイクルが真の実学です。まさに中国殷王朝の名君湯王の言葉「日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」のように、このプロセスを繰り返すことで、2~3年で大きな成長を実感できます。

 毎年新入社員の皆さんへ4つのお願いがあります。1.実学の実践 2. フロンティア精神の発揮 3. 国際性の涵養 4. 人間力の陶冶です。そして、創業者・岩井勝次郎の言葉「常に事業は艱難(かんなん)に成り安逸に敗(やぶ)る」は、我が社の原点ですので、必ず心に留めておいてください。
皆さんが健康で充実した日々を送り、学び続け、世界で活躍されることを願っています。最後に、新渡戸稲造の言葉「Haste not, Rest not」(急ぐなかれ、弛むなかれ)を贈り、お祝いの言葉といたします。

以上