R&D

研究開発体制

トクヤマの研究開発は、全社の技術支援と事業にコミットした研究開発を担う研究開発本部と、
各事業部門に設けられた開発グループが、顧客の皆さまとの関係をより重視した研究開発を行っています。

組織

研究開発本部

マーケティンググループ

マーケティンググループは、トクヤマグループの技術戦略の策定と実行を通じて、中期経営計画の事業戦略の実行と計画の達成に貢献することをミッションとしています。
このミッションの実現のため、市場のニーズと技術変化を先読みしてマーケティングを行い、トクヤマの持つ特有技術を深耕して、これらを融合させることによりビジネスモデルの仮説検証を行うことを通して、トクヤマの将来の開発テーマの立案を行っていきます。

つくば研究所

つくば研究所は、トクヤマの技術競争力を強くして事業の成長性を高め、新材料の調査からトクヤマの次代を担う新製品・新規事業を生み出す東日本地区の研究開発の拠点です。
担当分野は、ICTからヘルスケア領域と幅広く、半導体薬液、原薬・中間体やフォトクロミック材料などトクヤマが得意とする技術や材料を核に、その周辺領域まで開発テーマを広げ、大学など他の研究機関と連携して、出口の見える開発テーマに重点的に取り組みます。

徳山研究所

徳山研究所は西日本地区の研究開発拠点として、事業部門との連携を密にしながら新材料や新技術の研究開発に取り組んでいます。マテリアルインフォマティクス等の最新のデジタル技術の活用やオープンイノベーションの推進による研究開発のスピードアップにも取り組んでいます。マーケティングによる最新の市場動向・技術動向の情報と長年トクヤマが培ってきた特有技術をベースに、トクヤマの将来の収益の柱となる新規事業の創出を目指した研究開発テーマに取り組みます。

分析・解析センター

分析・解析センターは、トクヤマグループの価値向上に貢献する分析・解析技術の提供をミッションとしています。特に、半導体製品の開発競争を勝ち抜くために、当社特有技術である高感度分析技術を更に磨き上げ、高品質化・差別化による製品価値向上に力を入れています。また、我々の技術開発が新しい事業創出を促進することを目指して、開発グループと共同で、新しい技術に挑戦する取り組みをしています。

知的財産部

知的財産部は、トクヤマグループにおける知的財産の創造と活用を支援するとともに、知的財産権の管理を担っています。
価値創造型企業を目指す中で、その推進力となる研究開発の成果を保護するための権利化を通じて、特許を中心とする事業活動に必要十分な知財網の構築により事業優位性を図る一方で、徹底した調査・解析により、他社の知的財産権を尊重した適正な事業展開への貢献も重要な役割です。変化する事業環境に対応した知的財産権の有効活用にも力を入れています。さらには、深化した知財情報の調査・解析を通じて、事業部門、研究開発本部との緊密な連携による新規事業創出への貢献を目指しています。

事業部門開発グループ

化成品開発グループ

化成品開発グループは、10年~20年後のあるべき姿を見据え、社会基盤には欠かせない基礎化学品に加え、環境・エネルギー分野への事業展開を目指し、新たな社会貢献に向けてさまざまな開発に取り組んでいます。
苛性ソーダや塩素を製造する食塩電解では、これまでなかなか踏み込むことの出来なかった領域の斬新なアイデアを織り込んだ、世界一高性能な電解槽の開発を進めています。 また、これまで培ってきた製造技術の蓄積を背景に、食品、健康分野などにも期待される水素機能材料の製造開発や創業以来の事業であるソーダ灰の製造プロセスをベースとしたCO2回収・濃縮開発などサスティナブルな社会の実現に向けてチャレンジして行きます。

セメント開発グループ

セメント開発グループは、セメント部門における研究開発の中核として、セメント・コンクリート、資源リサイクル、セメント系固化材、各種建材製品に関する基礎研究、技術・製品開発に取り組んでいます。さらに、地球温暖化防止への貢献として、セメント製造におけるCO2排出量削減、CO2固定化・回収に関する技術開発に積極的に取り組みます。
セメント・コンクリートに関する技術は、部門における全ての研究開発の基礎と捉え、セメント・クリンカーの品質評価技術の探求とコンクリート物性に関する基礎データの蓄積に重点的に取り組んでいます。
資源リサイクルでは、セメントの品質を維持しながら、より多くの廃棄物をセメント原燃料として利用する技術を追求しています。
セメント系固化材は、各種地盤改良工法に適用する材料の開発、セメント系建材製品では、コンクリート構造物の補修・補強分野の材料開発に注力しています。
地球温暖化防止への貢献については、低温焼成型クリンカー、カルシウムリサイクル、廃コンクリートによるCO2固定化など、セメント・コンクリ―トに関連するあらゆる局面において実効性のある技術の確立を目指します。
セメント産業を取り巻く環境は厳しさを増していますが、セメント産業の社会的使命である社会資本の充実と循環型社会の構築に貢献できる技術の開発を目指していきます。

電子先端材料開発グループ

当グループは、電子先端材料本部における新規製品開発の役割を担い、高度情報通信ネットワーク社会を支える半導体向け高機能性材料の研究開発に取り組んでいます。
高純度IPAやTMAHに代表される半導体用薬液については、当社の特有技術である超高純度化技術をさらに磨き上げるとともに、市場ニーズにマッチした新しい機能を有する次世代薬液の開発に取り組んでいます。シリカおよびシリカ複合材料の開発では、半導体の超微細化や高集積化を支える先端半導体封止材用に、粒子形状や表面状態の精密制御技術を徹底的に磨きあげるとともに、市場ニーズの的確な把握と開発のスピードアップを実現し、多くの先端製品を生み出しています。
放熱材では、半導体の高集積化に伴い重大な課題となっている発熱密度の増大に対応するため、世界トップシェアを誇る窒化アルミニウムの技術をベースに新規放熱材料の開発に取り組んでいます。

SINグループ

SINグループは、山口県柳井市の先進技術事業化センターにおいて、窒化ケイ素粉末と窒化ケイ素を使用した高強度・高放熱セラミックスの量産技術開発に取り組んでいます。
窒化ケイ素は、電気自動車(EV)などに搭載されるパワー半導体の放熱や高電圧を絶縁する機能を併せ持ち、EVの航続距離の伸長、耐久性の向上に貢献できるものです。当社では、窒化ケイ素の製造において低エネルギーかつ低環境負荷の独自のプロセスを採用しており、環境負荷低減に資する構成部品が望まれるEVに対しても強みを発揮します。また、原料となる高純度の粉末からセラミックス板までを一貫生産することで安定的な製品供給を行い、お客様の様々な要求に柔軟に応えていくことを目指しています。
今後も、世の中の変化や市場のニーズに対応しつつ、パワー半導体の放熱を促進する中核的な材料の技術開発に注力するとともに、窒化ケイ素の特性を活用した各種の製品開発にも取り組んでいきます。

環境事業開発グループ

環境事業開発グループは、環境負荷低減への貢献を目指し、廃棄物のリサイクル技術の開発・事業化に取り組みます。セメント製造では活用が困難であった廃棄物を中心に、あらゆる処理困難廃棄物を技術開発のターゲットとします。テーマの選定、事業化の検討においては、セメント部門の資源リサイクル営業グループと連携し、市場のニーズをより的確に掴んでいきます。
これまでの実績として、廃石膏ボードのリサイクル技術の開発が挙げられます。晶析反応による結晶大型化技術を確立し、子会社の株式会社トクヤマ・チヨダジプサムで事業化しました。新たなテーマとして、太陽光パネルのリサイクル技術の開発に取り組んでおり、独自技術である低温熱分解法を用いて早期の事業化を目指します。

公的研究費の管理運営、不正防止に関する責任体系

株式会社トクヤマでは、以下の責任体系のもと公的研究費の適正な運営・管理を行います。